この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ずっと傍に……
第14章 顔合わせ…
「…帰って来ない私の事…なんて言ってるの?」
「何も言わないわよ。ブスッとした顔で寂しそうだった…まだまだ子供だって思っていた陽葵が出て行くんですもの…ママだって寂しいわよ。でもね。子供が親の元を巣立つのは当たり前の事。二十歳を過ぎた娘だったらなおさら…私たちが子離れできてなかったのよ。」
「出て行って…いいの?」
心配そうに聞くと、ママは寂しそうに笑った。
「正直…もう少し手元に置いておきたかったけど…こればかりは仕方がないわよね。今話し合っても平行線でしかない。どんなに理解してても許すことなんてできない…したくないのよね。だから離れる必要があるの。陽葵も自分の行動に責任を取れる年になったんだから、これからは自分で考えて行動しなさいね。」
優しく頭を撫でられ、頷くだけしかできなかった。
友紀也が家を出ることを反対した理由が今になって分かった気がした。
だけど、だからと言ってこの家に残る選択肢は私の中にないのも正直なところ。
寂しくても、これからの友紀也との生活の方が私には大切だった。