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ずっと傍に……
第15章 新しい生活
「あれは…始業式の前…入学式の準備で学校に出てきていたキミたちをみかけたんですよ。満開に咲き誇る校庭の桜を見上げて楽しそうに話すキミたちを。その中でも、ずっと見上げている陽葵に目が止まったんです。ふたりに呼ばれて名残惜しそうに走って行く後ろ姿が印象的で目を奪われたのを覚えています。…授業が始まり教室で見かけた時は心が躍りましたね。そして、懐かしさを感じました。ですが、お弁当を持って毎日通ってくる陽葵に困惑していたのも事実です。この子は何を思って来ているのかと…それでもいつの間にかお昼休みが楽しみになり、それが当たり前になって…そんな感じですね」
初めて聞く友紀也の想いに込み上げてくるものがあった。
同じ日にお互いに一目惚れだったとは運命としかいいようがない。
「たぶん…同じ日。その後にもう一度桜を見に行ったの。そこで友紀也を見かけた。同じ桜の木を見ている友紀也に目を奪われて…私は恋に落ちた」
「…そうでしたか…同じ日に…嬉しいですね。」
にっこりと微笑む友紀也にうれしくて、ふたりがいることも忘れて抱き付いていた。
何も言わずに抱きしめてくれる友紀也は、平気な顔をして千佳たちとそのまま話を始めた。