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ずっと傍に……
第16章 苦悩…
友紀也の腕を掴んで名前を呼べば、やっと私の方に顔を向けた。

「何かあったの?また私に言えない事?」

「……いえ……昨日話した生徒が……ベランダから飛び降りたそうです」

やっと口を開いたかと思うと、予想もしなかった言葉に一瞬言葉を失った。
飛び降りたと言うことは自殺…
好きになった相手から拒絶されて、産むことを許されない彼女の最後の選択…

「詳しいことは分からないので病院に行ってきます…陽葵…」

私の名前を呼んで力強く抱きしめてくる。
背中に回された手が震えてるのが伝わった。
友紀也も不安で怖いんだ。
自分たちの選択で人一人の命が左右されたから。

「ここで待ってるよ…何時になっても起きて待ってるから…」

何もできない私は待つことしかできない。
だけど、私の腕の中が一番安らげる場所だというのなら、私は全力で友紀也の心を癒してあげたい。

「ありがとう…必ず帰ってきますから待っていてください。」

最後にギュッと力を入れたあと、抱きしめている腕を解いて慌てて出て行った。
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