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ずっと傍に……
第16章 苦悩…
「意識は戻ったそうです…ですが何も話したがらないし、誰にも会いたがらないそうです……実は彼女の部屋から遺書が見つりました…。相手の教師が好きで子供ができたと分かった時はうれしかった…だけど誰一人祝福の言葉をかけてくれず、口を開けば中絶の言葉ばかり。一人でもおめでとうって言ってほしかった。そうすればこんなに悩まずにすんだのにと…その生徒は中絶しかないと分かっていたようです。それでも周りが中絶の事ばかりしか言わないので意固地になって…そして、自分が犯した罪は避妊もせずにセックスをしてしまったこと。裁かれるのは私であってこの子ではない…ひとりで逝かせることはできない、中絶しか道がないのなら一緒に逝きたいと…遺書を残して朝方、飛び降りたようです。下に植え込みがあり命には別状はありませんでしたが、子供の方はダメでした…これが結果です。男の方は無傷です。将来的に罪を償うかもしれませんが女生徒が受けた傷に比べれば些細な事…陽葵…初めの頃に言いましたよね。避妊は相手への愛情だと…愛情がなかった結果がこれなんです……」
友紀也の言葉を黙って聞く。