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ずっと傍に……
第16章 苦悩…
「何もなかった…通用すると思いますか?その泣きはらした目…僕には言えない事ですか?」
何も言わない私に、友紀也は少し考えて口を開いた。
「帰ってくるように言われたんですか?」
その言葉に顔を上げると、髪の毛を耳にかけてくれた。
「帰らないよ…私は…友紀也の傍にいるって決めたの…ずっと味方でいるって」
「分かっていますよ。僕も陽葵を返すつもりはありません…とりあえず部屋に入りましょう。お母様が待っていますよ。」
全てを理解しても穏やかな表情を崩さない友紀也は、何もなかったかのようにママと挨拶をして、ママも普段と変わらず対応する
「やっぱり不思議ね。桜木先生と沢渡さんが同一人物だなんて今でも信じられなわ」
「そうですね…誰も気がつきませんからね…。」
にこやかに話すママが何を言い出すか分からず怖くて話を遮った。
「友紀也のケーキもあるけどコーヒーでいいかな?」
「そうですね。コーヒーがいいですね。」