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第16章 苦悩…

ママの言葉を聞きながら涙が流れてくる。
こんな顔、友紀也に見られたら心配してしまうと分かっていても止めることができなかった。
案の定、戻ってきた友紀也は私が泣いている姿を見て心配しても、うれし涙だよと言うと何かを察したのかそれ以上聞いてくることはなかった。
友紀也とママは当たり障りのない話をしてさっきの事には何一つ触れなかった。
私は友紀也の隣に寄り添い、不安を消すかのように友紀也の手を握りしめていた。
しばらくすると、帰ってから夕飯の支度をしないといけないと言ってママは急いで帰って行ってしまった。
下まで送りに出た私と友紀也にママは最後にこう言った。

「沢渡さん…色々とあるでしょうが、それと娘とは別問題です。これからも娘の事をよろしくお願いします」

と深々と頭を下げて帰って行った。