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ずっと傍に……
第17章 対峙…
『陽葵っ?何か…あったのか?』
私から電話がかかってくるとは思っていなかったのか驚いたような声だったけど、その声にホッとする。
「…今、小林先生から電話があって…あっ…私の高校の時の担任なんだけど、蒼が怪我して病院に運ばれたって…」
それからパパに蒼いが運び込まれた病院を教えて、私も慌てて病院に向かった。
その途中でママから折り返しがあり、病院で落ち合うことになった。
私が到着した時にはママは到着していて、小林先生と話をした後だった。
「田崎……慌てて電話をしてしまって悪い」
と小林先生は私に頭を下げた。
何の事が分からずポカンとしているとママが教えてくれた。
蒼の怪我は出血が多い割には軽症とのことで、小林先生は出血が多くて慌てて電話をしてしまったとのことだった。
それでも怪我をしたことに変わりはなくて、蒼が元気な顔で処置室から出てくるまで気が気ではない。
そんな私たちの心配を他所に元気に現れた蒼は、腕に包帯を巻いただけで他はどこも怪我をしていないようでピンピンしていた。