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ずっと傍に……
第17章 対峙…
「蒼…大丈夫なの?」
「平気平気。血はいっぱい出たけど傷は深くないって。そんなに心配するなよ」
心配する私たちに蒼はニコニコしながら話しかけてくる。
その顔を見て、やっと安心できた。
集まってくれた先生たちに頭を下げ話をしていると、慌てたパパがかけてくる。
だけど、目の前でピンピンしている蒼を見てパパは力が抜けたのかソファーに座り込んだ。
「ごめんなさい。すぐに連絡を入れればよかったわね。蒼の怪我、そんなにひどくなかったのよ。1週間後には抜糸できるらしいの」
「そうか…大したことがなければそれでいい…」
ほっとしたパパは気を取り直して先生たちにお礼を言い始め、私も頭を下げて小林先生と久しぶりの再会を喜んでいた。
だけどその喜びも、蒼の一言で消えた。
「そういえば…桜木先生は?俺より桜木先生の方がひどいんじゃないんですか?」
蒼の一言に友紀也がいない事に初めて気がついた。
友紀也は蒼の担任で、こんな大事な時にいないはずがない。
「蒼…それって…」
蒼の言葉に自分の耳を疑い、聞き違いだと願いながら聞いた。
だけど、蒼の口から語られたのは信じらない言葉だった。