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ずっと傍に……
第17章 対峙…
「どうしたんですか?伊藤さん清水さん」
友紀也は私の手をかりながら立ち上がって、今来た子たちに声をかけた。
「あのっ…蒼くん…が悪いんじゃないんです」
モジモジしながら、ひとりの女の子が蒼が悪くないと言い、誰もがその続きの言葉を待った。
「蒼くん。矢畑さんを―――――」
「それ以上言うな!!」
女の子の言葉を遮ったのは蒼だった。
蒼は鋭い目付きで、何も言うなと言わんばかりに睨みつけていた。
だけど、一人の子は意を決したように友紀也に告げた。
「蒼くんは何も悪くないんです…悪いのは高橋くんたちなんです。高橋くんたち、矢畑さんのこと馬鹿にして悪口ばかり言ってた。みんな知ってたけど悪口ぐらいって聞き流してたんだけど、今日…矢畑さんの荷物に落書き初めて…顔写真付きでSNSに拡散しようとか…本気かどうか分からない事言い出して…さすがにそれはまずいんじゃないかってみんな思っていたら、蒼くんが声をあげたんです。そしたら高橋くんたちが怒って殴りかかってきて…」
「だから蒼くん何も悪くないんです」
ふたりは一生懸命、蒼の弁明をしてくれているのに、蒼は恥ずかしいのか知らん顔をしていた。