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ずっと傍に……
第17章 対峙…
「本当に…同一人物なのか?」
友紀也を遠目から眺めているとパパの声が耳に入った。
「ええ…信じられないと思いますが同一人物ですよ」
ママはおかしそうに笑い、パパは不思議顔をして友紀也の方を見ていた。
パパが友紀也を見たのは一度きり。
その時の服装や髪型とは全く別で困惑するのも無理はない。
「ねぇ…あなた…桜木先生は良い方だと思いますよ…今日の先生を見ていてそう思いませんか?」
ママは、それとなく友紀也の事をフォローしてくれた。
だけどパパは何も言わずに黙ったままで、やっぱりまだ許せないのかと寂しくなる。
5分もたてば女の子2名は帰って行った。
それを見送った友紀也が戻ってくる途中、ぐらりと身体が揺らいだのが分かり、傍に居た村上先生を押し退けて友紀也にかけよった。
「大丈夫?」
小さい声で聞けば、大丈夫ですよと微笑んでくれても、額には脂汗が滲んでいる。
相当無理しているのが分かっても、今の私には何も出来なくて歯痒く感じた。
「肩を貸してください」
ひとりで歩くのも辛いのか、私の肩に手を回してゆっくり歩き出した。