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ずっと傍に……
第17章 対峙…
「抱きしめてはくれないんですか?」
「だって…背中…痛いんでしょう?」
「首の辺りなら大丈夫ですよ。僕は陽葵を抱きしめたいと思ってるので、陽葵から抱きしめてくれるとうれしいです」
頭に手を添えられ、引き寄せられるかのように友紀也の胸に顔を埋めた。
そして、友紀也が痛くないようにゆっくりと首に腕を回して抱き付いた。
「そのまま膝の上に座って良いですよ。その体制はきついでしょう」
そう言われて膝の上に座ると痛いぐらいに抱きしめられ、そこで漸く声を出して泣いた。
友紀也は何も言わずに頭を撫でて私が落ち着くの待っていてくれる。
「なんだ…お嬢ちゃんは友紀也の彼女か?」
「ええ…とても大切な彼女です…いつかは紹介しようと思っていましたが…結婚前提につきあっています」
「お前がな…まあいい。今度詳しく聞かせてもらおう…邪魔者は消えるとするよ」
学先生は私たちに気を使って出て行った。
「僕の昔からの主治医なんですよ。父の古くからの知り合いで、父が亡くなったあとも色々とお世話になっています…村上先生のことがあったのでこの部屋は誰にも教えないように頼んでいたんですが…陽葵には教えておくべきでしたね。まさか来るとは思わず…お父様たちは帰ったんですか?」