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ずっと傍に……
第17章 対峙…
「最後まで聞きなさい。今日の桜木先生を見て思った事は…真っ直ぐな人だということ。真摯に生徒に向き合い、良い先生だと思った…それに陽葵、よく我慢したな」
その言葉にパパを見れば優しい表情で私を見ていた。
「あの女にあそこまで言われ、本当はお前が駆け寄りたかっただろうに、自分の立場を理解して押しとどまった。好きな相手が大けがをしたんだ、心配でたまらなかったろう?良く我慢したな?」
パパの言葉に涙が溢れ出した。
「怖かった…血がいっぱいって…何針も塗ったって…脂汗かいて…ふらふらしてて…このまま倒れちゃったらって思うと…怖くて怖くて…」
パパにしがみついて泣いた。
友紀也とは違う安心感だった。
「怖かったな…分かるよ…それでも今日は帰ってきてくれたことに感謝しかないんだ…さっき…30分だけとは言ったが…もしかしたら帰って来ないかもしれないと気が気じゃなかった。だから戻ってきてくれた時は本当にうれしかった。…まだ…パパの娘でいてくれ…きちんと送り出してやるから…もう少しだけ…パパの娘でいてくれ…」