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ずっと傍に……
第18章 うそつき…
「はい。どうぞ」
すぐに友紀也の声が返ってきた。
やっと会えると思ってドアを開けると、友紀也が椅子に座ってこちらを見ていた。
だけどその表情は冷たく、いつものように微笑んではくれない。
そして、立ちすくむ私に友紀也は何も言葉をかけてくれなかった。
ただ、じっと私を冷たく見ているだけ…
「友紀也っ…」
漸く、それだけ口にした。
聞きたいことはたくさんあるのに、友紀也の顔を見たら怖くて言葉にすることができなかった。
「何しに来たんですか?」
いつも以上に冷静に聞こえるのはなぜだろう…
もっと言葉に優しさがあり、相手をほんわかさせるような癒しのある声のはずなのに、突き放すような冷たさを感じてしまった。
「何って…全然連絡とれないから」
「取りたくなかったから取らなかったまでです」
冷静…ではなく拒絶のように聞こえた。
「マンションのドアも開かなくて…」
「勝手に入って欲しくなくて変えました。…それと管理人から連絡がありました。夜遅くまでマンションの前にいるそうですね。このまま続くのであれば警察に連絡すると言われています」