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ずっと傍に……
第18章 うそつき…
「もうマンションの下ですよ。すぐに上がりますから待っていてください。」
遠くから友紀也の声が聞こえ振り返ると、学校帰りの友紀也と鉢合わせをした。
友紀也は驚き、そして冷たい表情に変化する。
「ストーカーですか?」
電話を切った友紀也は冷たく低い声で一言だけ告げた。
「そんなんじゃ…」
「だったら何ですか?…最近何度か来ていますよね。彼女が怖がっていますから来ないでいただけませんか?」
何も言い返せなくて下を向いた。
少し前までは優しかったのに、この豹変ぶりに完全なる拒絶を感じた。
そして、私がいた空間に違う女がいると思うと心が痛くなる。
「陽葵…このままつきまとうのなら…警察に連絡します…」
「警察…」
「そうです。これ以上まとわりつくのであれば、それなりの対処をします…陽葵を犯罪者にはしたくはないのですが…彼女が怯える姿を見たくはない…いい加減、僕の気持ちが陽葵に向くことがないと諦めてください」
そう言い残して、友紀也は家の中に入っていった。