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ずっと傍に……
第18章 うそつき…
「もう、私に愛情を持つことはないの?」
「ありません。志保がいない人生なんて考えられない…志保のためなら陽葵…キミを傷つけることだって平気でできるんです…初めは傷つけたくないと思って黙って消えようとしました。一度は本気で愛した相手ですから。ですが、陽葵は分かってはくれなかった…こうなった以上、僕は陽葵を傷つけても志保を守りたい…それが僕の答えです」
揺るぎない瞳に、私の入る余地はないとつきつけられる。
どんなに縋っても、意志の強い友紀也の気持ちが変わることはない。
分かっていても、私の心は友紀也を求めて離したくないと暴れる。
「陽葵…もうあのマンションに来ても僕と会うことはないと思います…あのマンションは売りに出すことにしましたから。新しい場所で志保と子供と3人で生活することに決めたんです。…そして3月いっぱいで学校もやめます…これで陽葵との接点もなくなります」
「どこに行くの?」
回らない頭を必死に回転させて、友紀也の言葉を理解しようとする。
そして私の問いに馬鹿にしたように笑った。