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ずっと傍に……
第19章 哀しみの中で…
「陽葵、夜ご飯なにがいい?」
ママが私の部屋に顔をだして何が食べたいか聞いても、正直まだ何も食べたくない。
「…うどん…がいいかな」
食べたくなくても食べないとまた同じことの繰り返しになるように思えて、胃に負担のかからない食事からと思いうどんをリスエスとする。
ママは私が食べたいものを口にしてうれしかったのか、うれしそうに降りていった。
しばらすると、今度はパパが顔を出した。
ベッドに座る私の横に腰を下ろして並んで座ると変な感じがする。
パパは私の頭に大きな手を置いて、いつものように優しく撫でてくれた。
「ありきたりだが…人生には色々とあるもんだ。辛い事、悲しい事、死にたくなる事…色々とな。」
「パパも死にたい事…あったの?」
「そりゃあるさっ…苦しいこともあったし泣いたこともある。それでもパパはママに出会えて陽葵と蒼を授かって今は幸せだ。死んでしまえばこんな幸せを味わうことなんてできなかった。苦しい時に逃げ出していたら、今ここにはいない…全てはこの幸せのためにあったんだとパパは思ってる…。…物事には全て理由があるんだよ。陽葵が沢渡さんと出逢って別れた事にきっと理由はある」