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ずっと傍に……
第19章 哀しみの中で…
―――――…
何もする気がなくても学校だけは行った。
留年するわけにもいかず、それに学校に行けば大地くんが傍に居てくれてホッとする。
それでもまだまだ友紀也の事を思いださない日はなくて、どこかで踏ん切りをつけないといけないと思うまでにはなっていた。
『きっとさ…一方的に別れを言い出されて消化しきれてないんじゃない?』
と千佳に言われたことがあった。
その言葉が心に引っ掛かり、もし自分からさよならを言えたら前に進めるかもしれないと思い、蒼の卒業式の今日、高校に足を運ぶことにした。
今日、ここに来る事は誰にも話していない。
自分で言わなければ終わらないし始まらないと思ったから。
でも、いざ、友紀也の所に行こうと思うと怖い。
また、あの冷たい視線を向けられるんじゃないかと思うと心臓がドキドキして壊れてしまいそうだった。
それでも、前に進むために理科準備室のドアをノックした。
「はい。どうぞ」
中から友紀也の声が聞こえた。
それだけで泣きそうになるのを堪えて、ドアを開ける。
そこには、いつものように椅子に座っている友紀也がいた。
ずっと変わらない友紀也の姿に目頭が熱くなる。