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ずっと傍に……
第19章 哀しみの中で…

「またキミですか…」

友紀也は溜息を付き冷たい視線を投げながら、懐かしい言葉を口にした。
久しぶりに聞くその口調にクスッと笑えた自分がいた。

「キミじゃないですって。陽葵です。いつになったら名前で呼んでくれるんですか?」

昔と同じように口答えをすると友紀也の冷たい視線は少し緩まり、寂しそうに笑った。

「僕がキミを名前で呼ぶことなんて一生ないと言うことを何度言えばわかるんですか?」

「何度言われても分かりません。それ何度言えばわかるんですか?」

高校2年になった頃、この場所に来るたびに言い合っていた言葉…今でも覚えていてくれたと言うだけでうれしかった。

「懐かしいですね…」

友紀也は目を細め懐かしそうに…本当に懐かしそうにつぶやいた。

「ここから…始まったんだよね…だから…」

私は友紀也の目の前まで足を進めて笑顔で告げた。

「だから、ここで終わりにしようと来たの」

友紀也は一瞬目を見開き、そして優しく微笑んでくれた。
それは、いつも私に向けていた友紀也の優しい笑顔だった。

「そう…ですが…。そうですね…ここから色々な事が始まりました…ここで終わりにするのもいいかもしれません」
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