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ずっと傍に……
第19章 哀しみの中で…
「学校辞めて…どうするの?…」
「次ですか?しばらくはのんびりするつもりです…そういう場所に行きますから…」
友紀也は決してどこに行くかは言わない。
これで友紀也とは本当に接点がなくなり、人生で交わることはない。
だから最後に聞きたいことがあった。
「ねぇ…私の事嫌い???志保さん…不安にさせて傷つけて…もう嫌いになった?」
友紀也を見ることなく聞いた。
友紀也にもここでの思い出を消して欲しくなった。
今更遅いかもしれないけど、幸せだった想い出だけでも共有しておきたかった。
「嫌いにはなっていませんよ…陽葵を傷つけたのは僕ですから…陽葵が僕を嫌いになっても僕が陽葵を嫌いになる資格はないんです」
「よかった…それ聞いて安心した。」
私は、いつもの笑顔を友紀也に向けた。
最後は笑った顔を覚えていて欲しかったから。
私の笑顔が素敵だと言ってくれた友紀也には、笑っている私の顔を胸に刻んでほしかった。
「私は…やっぱり友紀也が好き」
その言葉に、友紀也の表情が一変する。
といっても冷たい表情ではなく、とても寂しそうな…切ない表情だった。