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ずっと傍に……
第19章 哀しみの中で…
「落ち着いた?」
校舎の影から声をかけたくれたのは大地くんだった。
「どうして…」
「うん…昨日の帰り際…何か思いつめた顔してたから、最後に会いに行くかなって思って…ちゃんとバイバイ言えた?」
その言葉に益々驚いていると、横に座った大地くんがギュッと抱きしめてきた。
「ちゃんと別れを言いにきたんだろう?会うのはこれが最後になるから…ちゃんと気持ち伝えられた?きちんと別れられた?」
やっとおさまったと思っていた涙がまた溢れ出す。
大地くんはどうしてこんなにも私の心が分かるのだろう。
どうして、いつも私を気持ちよく泣かせてくれるんだろう…
私は不思議に思いながらも頷いて、大地くんの腕の中でまた泣いた。
いつものように、私の心が落ち着くまで泣かせてくれた。
「大地くん…知ってたんだ。友紀也の正体…」
大地くんの腕の中で泣いた後に聞いた。
最後に友紀也に会いにここに来た事を知っているのなら、友紀也が桜木先生だと気がついていると言うこと。
「うん…」
「いつから気がついてたの?」
「一緒にチーズケーキ食べた時かな…と言っても核心はなかったんだけど…アルバム見て桜木の下の名前が友紀也だと分かった時にそういう事かって…でも陽葵が幸せそうだったからそれはそれでいいのかなって…」