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ずっと傍に……
第19章 哀しみの中で…
誰もが友紀也と桜木先生が同一人物だと気がつかないと思っていた。
千佳と咲でさえ、ふたりが同一人物だと分かっても信じられなかったように、よく信じることができたと感心する。
それを話せば大地くんはなんでもないさ、と言って教えてくれた。
「陽葵が友紀也さんを見る目と桜木を見る目が同じだったから、俺もずっと陽葵を見てたからさ…それだけ…そろそろ帰ろうか。今日は弟の卒業祝いするんだろう?」
そう言われて時計を見ると16時を過ぎていた。
「忘れてた…帰らなきゃ」
「家まで送っていくよ」
大地くんは何も言わずに手を繋いで歩き出し、いつの間にかこれが普通になっていた。
友紀也と別れてからずっと傍にいてくれた大地くん。
何も言わずに私の好きなようにさせて、最後には必ず迎えに来て優しく手を引いて帰ってくれる。
この温もりがあったから私はどうにか今を生きられている。
そんな気がしていた。
千佳と咲でさえ、ふたりが同一人物だと分かっても信じられなかったように、よく信じることができたと感心する。
それを話せば大地くんはなんでもないさ、と言って教えてくれた。
「陽葵が友紀也さんを見る目と桜木を見る目が同じだったから、俺もずっと陽葵を見てたからさ…それだけ…そろそろ帰ろうか。今日は弟の卒業祝いするんだろう?」
そう言われて時計を見ると16時を過ぎていた。
「忘れてた…帰らなきゃ」
「家まで送っていくよ」
大地くんは何も言わずに手を繋いで歩き出し、いつの間にかこれが普通になっていた。
友紀也と別れてからずっと傍にいてくれた大地くん。
何も言わずに私の好きなようにさせて、最後には必ず迎えに来て優しく手を引いて帰ってくれる。
この温もりがあったから私はどうにか今を生きられている。
そんな気がしていた。