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ずっと傍に……
第19章 哀しみの中で…
「やっと笑った…ずっと泣きそうに笑ってるんだもん…こっちの方がかわいいよ」
「そんな風に笑ってました?」
「うん…無理して笑ってるなぁって気になってた…だから連れ出したかったのかも……。無理に彼氏作ろうとしてる?」
痛いところを突かれ、口をパクパクさせていると、やっぱりと呟いて出されたビールを一口飲んで真剣な表情になった。
「人を好きになるってさ…理屈じゃないよな…作ろうと思って作れるわけでもないし。好きになろうと思って好きになるわけじゃない…自然と好きだなって思える相手が本当の相手だと俺思うんだよね」
三島さんの言葉を聞いてそうかもしれないと思った。
好きになるのは理屈じゃない。
頭より先に心が相手を見つけ出し惹きつけられる。
友紀也がそうだった…
「俺さっ…長年付き合ってた彼女に振られたんだ…」
その言葉に三島さんの横顔を見たら、寂しそうにビールのグラスを覗き込んでいた。