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ずっと傍に……
第19章 哀しみの中で…
――…
―――…
―――――…
「まぶしい…」
三島さんは、そういいながら背伸びをしてすっきりとした表情をしていた。
私も久しぶりに熟睡できた感じがして清々しい。
こんなに眠ったのは、あの旅行の時以来だと考えると遠い昔のように思えてくれる。
「何か食べようか」
「うん。お腹すいたかも」
「だよな…がっつり系行こう」
そう言って、三島さんは躊躇なく私の手を握って歩きだした。
私もしっかりとその手を握って隣を歩く。
恋人でもなく友達でもなく、だけど昨日初めてあってただ抱き合って眠った人。
不思議な人だなと思って見ていると、視線に気がついたのか私の方を向いて微笑んでくれた。
そして路上だと言うのに、そっと髪の毛にキスをする。
この周りを気にせずスマートに行動する姿はどこか友紀也に似ていた。
少し歩くと焼肉屋さんを見つけて、がっつり行こう!と上機嫌で入っていき、最初から4人前と白ご飯を頼んだのには驚いた。
だけど、4人前をぺろりと食べて追加したお肉も食べきって、動けないとお腹をポンポンと叩く仕草が子供っぽくて笑えた。