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ずっと傍に……
第19章 哀しみの中で…
「俺、男だけどさ…こんなんだから、ひとりで辛かったり誰かに抱きしめて眠りたい時とか連絡してきて。」
帰り際に恭平さんはそんなことを言ってくれた。
「遠慮はいらないから。陽葵ちゃんが心から笑えるようになったら俺も救われる気がしてるからさ。…また連絡する」
「うん。ありがとうございます。…辛くなったら連絡します」
正直に言葉にすると、手を引かれて抱きしめられた。
人の往来の多い場所で、私たちを避けながら通り過ぎていく。
そこには野次を飛ばす人、キャーッと喜ぶ人さまざまだった。
「恭平さんっ???」
「今日も寝れるようにおまじない…」
恭平さんは照れることなくそう言って、笑顔で去って行った。
その後ろ姿を見ながら、不思議な人だなと思い返すとクスリと笑えた。