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ずっと傍に……
第20章 出逢った意味…
「進まなきゃ…行けないのかな?友紀也を忘れて…」
「ヒナ!!しっかりしろ!!前を向いて歩くんだろう?そう約束したんだろう?」
約束…
友紀也との約束…
だけど、その友紀也はもう私の傍にはいない。
私より好きな女の所に行ってしまった。
「ねぇ…好きな相手を忘れるにはどうすればいいと思う?友紀也は私より好きな子を作っていなくなった…。私の心は未だに友紀也を求めてる…捨てられた私は…どうしたらいいのかな?この気持ち…どうしたら消えてくれるかな?」
「捨てられたんじゃない!!」
大地くんは大きな声でそんなことを言った。
「捨てられて…ない?」
聞き返すと、大地くんは寂しそうな顔をして私を軽く抱き締めた。
「…最後に別れを告げたのはヒナだろう?だったら捨てられてない…捨てたのはヒナの方だ」
その無茶苦茶な言い分にクスッと笑った。
―――――私は捨てられてない。捨てたのは私の方…
そう考えれば…少しは気が楽になる。
私から印籠を渡した。
私からさよならを言いに友紀也の元に足を運んだ。