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ずっと傍に……
第20章 出逢った意味…
「恭平さん…今、彼女と話をしないのなら…私も恭平さんとはこれっきりにします。後ろ向きな恭平さんと一緒にいても意味がないですから」
「陽葵…」
漸く顔を上げた恭平さんは今にも泣きそうな表情をしていた。
「行ってくるなら、恭平さんが戻ってくるの待ってます。行かないのなら、このまま帰ります…どっちがいいですか?」
究極の選択を恭平さんに託した。
恭平さんは大きな溜息をひとつ付いた後に立ち上がって私を軽く抱きしめる。
「直ぐに戻ってくるから待ってて」
触れるだけのキスを髪の毛に残して、恭平さんは彼女を追った。
彼女が出て行ってから数分、彼女を捕まえてきちんとケジメをつけられると良いと思う。
私は恭平さんが戻ってくるのをケーキを食べながら待った。
帰ってきたら、全部食べたよ、すごいでしょう?と言えるように、全制覇を目指す。
90分はあっという間で、クローズの時間になったのでお店を出てフロント前のロビーで待つことにした。
一応、恭平さんにはその事を伝えて、人の行き交う姿を見ながら時間をつぶした。