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ずっと傍に……
第20章 出逢った意味…

「俺の家…ちょっと複雑でね。父親は仕事人間、母は専業主婦で家に帰って来ない父親にイライラしてた…そのはけ口が俺…。叩かれるのは日常茶飯事で、それだけだったら我慢も出来た。我慢ができなかったのは…母親が俺を男とみるようになったから…今思うと寂しかったんだろうな。結婚したのに父親に見向きもされないで俺の生活の面倒をみさせるんだから…」

「どういうこと…?」

「あ~…再婚なんだよ。だから母親とは血が繋がってない。いきなり中学生の母親なんて言われて嫌だっただろうな…それで逃げるように浩司と一樹の家に交互に転がり込んでたんだ。それで夕実といる時間が長くなって惹かれた。全てを知ってるからありのままの自分でもいられたし、甘えられるのも夕実だけだった。この世で夕実がいればそれでいいし…ずっと傍に居てくれるものだと思ってたんだ。けど、俺の手から夕実はすり抜けていった…残ったものは絶望だけ…正直さ…夕実に依存していたんだと思う。夕実に母親の存在を重ねて…」
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