この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ずっと傍に……
第20章 出逢った意味…
「良い事ありました?」
料理が運ばれてくる間に、私の方から聞いた。
恭平さんは少し困った表情をして、それが何を意味するのか分からなかった。
「とりあえず、食事がすんだあとでいいかな?それよりワイン飲んでも?」
頷くと、恭平さんは人を呼んで食事にあうワインを頼んでいた。
そんな姿を見ながら、夕実さんと上手くいかなかったのかとも心配になるが表情は暗くはなくて、上手くいかなかったにしては不自然だった。
ワイングラスを持って、何に乾杯するかも分からず乾杯をして口に運ぶ。
そして前菜から始まったコース料理を、他愛もない会話をしながら堪能した。
「仕事が忙しくて連絡できなくてごめんね…家には寝に帰るだけ…下手すれば泊まり…ブラックかよって言いたくなるよ」
笑いながら話す恭平さんはいつもの恭平さんで、夕実さんとどうなったのか知りたくて仕方がない。
「連絡なくて寂しかった?」
ブイヤベースのワタリガニに悪戦苦闘していると、恭平さんはそんなことを聞いてきた。
質問の意図が見えなくて恭平さんを見つめると、手に持っているナイフとフォークを置いた。