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ずっと傍に……
第21章 この愛が燃え尽きるまで…
―――――…
ぼんやりと…どこにいるかも分からない友紀也の病室を眺めている。
この窓のどこかにきっと友紀也はいる…
そう私は確信している。
だって、近くにいることは肌で感じてるから。
だけど学先生は他の病院に転院させたと説明するだけで、何も教えてくれない。
だからと言ってあきらめる事なんてできない。
友紀也と会うまではここを離れる気はない。
そう思って5日、今日もどこにいるか分からない友紀也の部屋をぼんやりと眺めいた。
「陽葵さん…少しいいかな?」
後ろから声がかかり振り返れば志保さんが立っていた。
よく見れば、友紀也と雰囲気が似ていて、美人さん。
誰もが手を貸してあげたくなるようなそんな女性だった。
私が少しずれて座ると、志保さんは横に座って、おにぎりが入った包みをくれた?
「何も食べていないんでしょう?身体がもたないよ?」
この5日、ほとんど何も食べていない。
水分は辛うじて取っていても、また食べ物を受け付けなくなっていた。
自分でも身体が弱ってるのも分かるし、トイレに行こうとして立ち眩みがすることもある。
分かっていてもここを離れることはできない。
私がどれだけ友紀也を愛し、会いたがっているのか分かってもらうまでは。