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ずっと傍に……
第21章 この愛が燃え尽きるまで…

「…陽葵さんは、そんなにお兄ちゃんの事が好き?」

貰ったおにぎりを食べずに病室の窓を眺めていると、志保さんはそんな言葉を口にする。

「好きだよ。だから会いたい…。傍にいたい…。ただそれだけ…他に何も望まない」

本当に多くは望まない。
ただ傍にいて、触れ合って…それだけでいいから会いたい。

「死んじゃうんだよ…弱っていくお兄ちゃんを見続けるんだよ。そんな姿を陽葵さんに見せたくないって思うお兄ちゃんの気持ちは理解してくれてる?」

死という言葉に、身体が正直に反応する。
正直、まだ受け入れられていない。
いきなり、癌で余命宣告を受けていると言われてもピンと来るはずがない。

「先に…先に死ぬの…私かもしれないよ…」

自分の口から出た言葉に笑いそうになった。
先に死ぬ…
それもいいかもしれない。

「このまま、友紀也が私に会ってくれないのなら、何も食べなくて死んじゃうかもしれない…」

自嘲気味に笑うと、志保さんはベンチから立ちあがり、私の頬を叩いた。
その痛みさえ今は感じない。
本当に死んだような人生だと思う。
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