この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ずっと傍に……
第21章 この愛が燃え尽きるまで…
「友紀也さん…ヒナの事だけじゃなくて志保さんのことも心配してるし、たぶん志保さんにヒナの事を重ねてるんだと思う…」
「重ねてる?」
「そう…志保さんは病室では毅然としてるんだ…何もないように笑ってる。だけど病室を出た途端、緊張が解けたようにいつも泣いてる。そして夜寝れなくて、ごはんも食べられなくなってる…志保さんは友紀也さんにばれてないって思ってるけど、友紀也さんは気が付いてる…ヒナもきっとそうなると思ってるから…会わないと言い張ってるんだと思う。……ヒナ…」
大地くんが私に向き直って真剣な眼差しを向けてくる。
私はぼんやりとした感覚で、大地くんが何を言い出すのかと待っていた。
「友紀也さん…最初は志保さんにも何も言わずに一人で逝こうとしてた。自分に関わった人たちが少しでも悲しまないように…何も言わずに消えようとしてた。ひとりひっそりと死ぬつもりだったんだ…その覚悟…ヒナに理解できる?自分か死ぬと分かっただけでも恐怖だったと思う。それなのにヒナや志保さんのことを考えて誰にも見取られることもなく、ひとりで逝くことを決めた友紀也さんの覚悟、ヒナはどう思う?」
大地くんの言葉を頭の中で繰り返した。