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ずっと傍に……
第21章 この愛が燃え尽きるまで…
「何が正しいかなんて分からないよ。だけどね、ひとつ分かったことがある…私は最後の最後まで友紀也の傍にいて、死の恐怖から救ってあげたい。好きだから、ただ傍にいたいんじゃない。最後の時だというのなら、その時を安らかに過ごせるように傍にいたい…」
ただ傍にいたいと思っていた私に、新しい目標ができた。
大地くんは、私が諦めるように色々と話してくれたけど、それは逆に諦めない強い思いを持たせてくれた。
「諦めないよ…友紀也が私の幸せを願ってくれるなら、私も友紀也の幸せを願いたい…心豊かに逝けるように傍についていてあげたい」
私の言葉に、大地くんは溜息を付きながら、もう何も言うことはなかった。
お互いに黙ったまま時間が過ぎるのをただ待つだけだった。
その間にも雨はひどくなり、風も吹き始めていた。
そういえば、TVで嵐になりそうだと言っていた事を思い出す。
だけど、そんなことは私には関係なかった。
また暗くなるまでここにいるだけ…