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ずっと傍に……
第21章 この愛が燃え尽きるまで…
「…友紀也…?」
夢か現実が分からない狭間で揺れる。
友紀也は起き上がり、私も起き上がった。
少しは楽になった身体は、それでも気怠く頭も重く、まだフラフラしている。
「…抱きしめてもいいですか?抱きしめて陽葵を感じたい…僕から手離したのに…触れたくて仕方がないんです…」
切なげに発する言葉に胸がキュンとする。
これが夢じゃないというのなら、それは喜ばしい事。
だけど、正直まだ分からない。
夢か現実か判断がつかなかった。
「陽葵…」
返事もしない私の頬に手を伸ばしてそっと触れた。
「…夢…じゃないの?」
「ええ。夢でも幻でもありません。陽葵の想いが僕の考えを変えたんです。陽葵が僕の傍にいたいというのなら…僕はそれを受け入れます…色々と話すこともありますが…今は陽葵を抱きしめたい。陽葵を感じたい……ダメ…ですか?」
自然と涙が零れ、その涙を拭う友紀也の手の温もりを感じた。
その言葉は幻ではないことを確認するように、友紀也の頬に手を伸ばして触れた。
何度も触っているのに、夢ではないと告げられるとそう思えてくる。