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ずっと傍に……
第22章 幻でもいい…
友紀也の手が私の頬に触れ唇をなぞり、親指の腹で頬をなぞる。
その手に自分の手を重ねて擦り寄れば、友紀也は微笑んだ。

「…最後に…陽葵を…感じたい…」

その言葉に、本当に最後なんだと感じた。
どんなに足掻いても、友紀也の命の灯(ともしび)は消える。
一陣の風が吹いてしまえば、簡単に消えてしまうのだと直感的に感じた。

「…陽葵…最後に…キスを…」

「ふふふっ…友紀也は甘えたがりだね。そんなに…キスしてほしい?」

無理やり笑顔を作り意地悪に聞くと、友紀也は素直に「はい」と答えた。
私は顔を近づけ、触れるだけのキス…その先に進んでいいのか躊躇する。

「陽葵…もっと…」

いつもの私のセリフを今日は友紀也が口にした。
友紀也がそれを望むなら、友紀也の望みを全て叶えたいと、再度唇を寄せた。
乾ききった唇に舌を這わせ湿らせ、少し開いた唇から舌を差し込んだ。
そこはいつもと変わらず生暖かくて、これが最後だとは思えないほどだった。
だけど絡まる舌は力なく、いつもの激しさはない。
それでも、友紀也は私を求める。
友紀也の身体に負担がかからないように、ゆっくりと交わり愛していく。
何度も何度も緩く絡ませながらお互いを感じた。
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