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ずっと傍に……
第22章 幻でもいい…
フラフラッと遮断機の中に入ろうと手をかけた時、雨にかき消されながらも耳に届いた声は、二度と聞くことができないと思っていた声だった。
振り返り辺りを見回しても本降りになった雨で視野が悪く、その声の主を見つける事はできなかった。
「どこっ…どこにいるの?」
その声の主に向かって声をかけると、後ろを電車が通過する。
それと共に私にぶつかる風に、ゆらりと身体が揺らいだ。
「危ない!!」
倒れる瞬間に腕を取られて、その人の胸の中に引きずりこまれた。
抱きしめられるその腕にしがみつきながら次の言葉を口にするのをドキドキしながらまった。
その間、顔をあげることなんてできなかった。
ただ、もう一度声を聞きたくて土砂降りの中待った。
「キミは…いつまで僕にしがみついているんだい?」
頭の上から降ってくる声はやっぱり、友紀也と同じ…
そして自分の事を僕という…
これは奇跡だと思った。
私の事が心配で死ぬに死ねなかった友紀也が、私の為に蘇ったのだと顔をあげ友紀也を見つめた。
振り返り辺りを見回しても本降りになった雨で視野が悪く、その声の主を見つける事はできなかった。
「どこっ…どこにいるの?」
その声の主に向かって声をかけると、後ろを電車が通過する。
それと共に私にぶつかる風に、ゆらりと身体が揺らいだ。
「危ない!!」
倒れる瞬間に腕を取られて、その人の胸の中に引きずりこまれた。
抱きしめられるその腕にしがみつきながら次の言葉を口にするのをドキドキしながらまった。
その間、顔をあげることなんてできなかった。
ただ、もう一度声を聞きたくて土砂降りの中待った。
「キミは…いつまで僕にしがみついているんだい?」
頭の上から降ってくる声はやっぱり、友紀也と同じ…
そして自分の事を僕という…
これは奇跡だと思った。
私の事が心配で死ぬに死ねなかった友紀也が、私の為に蘇ったのだと顔をあげ友紀也を見つめた。