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ずっと傍に……
第22章 幻でもいい…
―…
――…
――――…
「―――葵…――葵…―――陽葵」
誰かに呼ばれる声で目が覚めた。
気怠い身体を動かして声のする方に顔を向けると、そこには心配そうに見つめるママがいた。
「よかった…全然起きないから…ママ…心配したわよ」
ママは私の髪の毛を撫でながら優しく微笑んでいた。
「いきなりいなくなって驚いたんだから。バックもおいて…でも管理人の方から陽葵が戻ってきたって連絡があってほっとしたのよ。とりあえず、洋服を着てリビングにいらっしゃい。…少し話をしましょう?」
軽く頭をポンポンと撫でて部屋を出て行った。
まだ寝ぼけた頭で昨日の記憶を辿る。
そして知らない男を拾って、このベッドでエッチをしたことを思い出すと、ガバッと起き上がった。
辺りを見回しても彼はいない。
そしてベッドの乱れはなく、私はシャワー上がりのままバスタオルを巻いていた。
「夢…?」
彼の痕跡は一切なく、そう考えるのが一番だった。
分からなかったけど、とりあえず着替えてリビングに行くと、そこにはパパと蒼まで一緒にいた。