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ずっと傍に……
第22章 幻でもいい…
気怠い身体をソファーに沈めると、ママが何も言わずに熱いお茶をだしてくれた。
それを飲めば少しは落ち着く。

「いきなりいなくなって…心配したんだぞ」

「…ごめんなさい…」

パパの一言に謝るしかなかった。
勝手に抜け出したあの状況でどれだけ心配かけたか、考えなくても分かる。

「まぁ…無事でよかった」

パパは渋い顔をしながらも、それ以上は口にはしなかった。

「陽葵…千佳さんと咲さんには電話しといたから…あとで電話しろよ…あの2人も心配してたから」

最後まで寄り添ってくれていた千佳と咲の事を思い出した。
お通夜から火葬場までずっとつきそってくれていたふたり。
何も言わずに消えた私を心配していたことも想像はついた。

「…心配かけて…ごめんなさい」

私が頭を下げると、横に座っていたママが私を抱きしめた。
何度も何度も背中をさすりながら、無事ならそれでいいのよと繰り返す。
私も何度も謝りながら、ママの暖かな腕の中で少しは心が安らいでいた。
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