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ずっと傍に……
第22章 幻でもいい…
実家に帰るのを渋ってこの表情…それが私が死んでしまったらもっと悲しませるかもしれないと思いながらも…友紀也がいないこの世で生きていく地獄を味わいたくはなかった。

「ママ…ごめんね…。ここには友紀也との思い出がいっぱいなの…だから今は離れたくない…もう少しここにいたいの…お願いします。」

私は頭を深く下げてお願いした。
ママは無理やりにでも私を連れて帰りたがっていたが、パパが説得してくれた。
帰り際、蒼がこんなことを言った。

「桜木先生…良く言ってた。人には対なる魂があるんだって。その魂と巡り合うために人は生まれ変わり出会い続けるんだって…それが出会ってはいけない関係だとしても惹かれ合う魂ならば、それをも超えて巡り合うんだって…今思えばさ…それって自分と陽葵との事だったんじゃないかって…教師と生徒…禁断じゃん?それでもつきあって結婚して…。…奇跡を信じろ、目に見えるモノだけが真実じゃない…これも桜木先生の口癖だったよな…。…ごめん。俺何言ってるんだろう…お葬式の時にさ、それがフッと頭に浮かんで…陽葵に伝えなきゃって…」

その言葉は心に響いた。
対なる魂。
私と友紀也は魂で結ばれている。
どちらかがいなくなれば、その魂に引き寄せられる。
だから私は友紀也の元に逝きたがる…
追いかける名文が出来て、心置きなく友紀也の元に行けると思った。
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