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第23章 最良の日…

そう思っていると学先生は心構えを教えてくれた。
それは目から鱗で、言われてみればそうだと思えた。

『余命宣告は目安であって確実ではないんだよ。1年と宣告されていた患者でも何年も生きている人もいる。その逆もしかり…良いことに期待して、悪いことに備える…人は先の喜びがあれば頑張ろうと生きる意力が湧く。患者にそう思わせるのは大切な事。それとは逆にもしもの時に備えるのも必要…友紀也が陽葵くんの未来を考えるのも当然の事なんだよ…』

と教えてくれた。
先の喜びがあれば頑張ろうと生きる意力が湧くと言われて色々と考えた。
友紀也が喜びそうな事。
そして記憶に残る事。
子供が欲しいという思いは変わらない。
だけど、それは友紀也が喜ぶことではないと一旦諦めることにした。
今は友紀也が一日でも長く生きてくれることだけを祈って、友紀也が楽しみにできる未来を模索する。