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ずっと傍に……
第24章 正直になれなくて…
「少しぐらい外に出なさいね」
ソファーに座っていると、ママは私の横に座って私を抱きしめて頭を撫でる。
たぶん、私が生きているのを確認してホッとしているんだと思う。
だから毎日のように食事を持ってきては私の生存確認をする。
だけど、正直いい迷惑で、本当の事を言うと来てほしくはない。
気を使って話すのが苦痛で仕方がなかった。
ママの心配も、言っていることも理解できても、それに答えるだけの余裕はない。
「陽葵…そろそろ帰ってこない?パパもママも心配なのよ…」
そして、いつもの会話にうんざりもしていた。
何度も帰らないと言っても、来るたびに同じ話になる。
「それは何度も言ったはずだよ。帰らないって…その話をするならもう来ないで…もうママには会いたくない!!」
余裕ない私は冷たい言葉を吐き捨てる。
その言葉で悲しい表情をするママに申し訳ないと思いながらも、勝手に口から出てきてしまう。
「食事も自分で作るから持ってこなくていい…何もできない子供でもないし、ひとりでもちゃんとやっていけるから…これ以上構わないで」
言った後に後悔する。