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ずっと傍に……
第24章 正直になれなくて…
―…
――…
―――…
『ねぇ、友紀也』
『どうしたんですか?』
私の言葉に友紀也は振り向き笑顔を私に向けた。
その笑顔がうれしくて、私は友紀也の腕にしがみついて並んで歩き始めた。
『本当にどうしたんですか?いつにも増して甘えて』
『だって…なんか久しぶりな気がして…ずっと一緒にいるのにね』
そう言いながら、ドキンと心が痛んだ。
この痛みは何なのか…どんどん不安になっていく…
『ねぇ…友紀也…私たち、ずっと一緒だよね。ずっと一緒にいられるよね』
そう口にしたら、友紀也は悲しそうな瞳で一粒の涙をこぼした。
『友紀也っ??一緒にいられるよね。ずっとずっと一緒に』
友紀也な涙を流しながら私の頬に触れて、その手を引っ込めた。
『友紀也?抱きしめてくれないの』
友紀也の袖を握りしめて抱きしめて欲しいと願う。
だけど、友紀也は握りしめている私の手を解き、首を横に振った。
『友紀也??友紀也??』
直ぐ傍にいたはずの友紀也は、歩いてもいないのに遠ざかっていく。
それを必死に追いかけようとしても追いつけない。
追いつけないどころか距離は離れて行く。
『友紀也!!まって!!私を置いて行かないで』