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ずっと傍に……
第24章 正直になれなくて…
「それっ…あんまりじゃない?こっちは心配してるんだよ!!」
私の冷たい言葉に怒ったのは千佳だった。
怒るのも無理はない。
そう思っていても、イライラが増していく。
「誰も心配してなんて頼んでない…勝手に来て自分たちの気持ち押し付けないで」
売り言葉に買い言葉とはこのことなんだろう。
近い存在だからこそ言ってしまう。
冷静に見ている自分と、口に出す自分は真逆で、可笑しくなってしまったんじゃないかと思う。
友紀也がいなくなって正気なはずがない…
正気じゃないからユキと淫らな行為でごまかしている…
「何それっ…それが友達に言う―――」
「千佳っ!!」
何かを言おうとしている千佳を止めた咲は私を優しく包み込み、子供をあやすように背中を擦る。
「陽葵…ごめんね。そうだよね。私たちが心配しても陽葵の気持ちは変わらないよね。ただ、実家に帰らずここにいるって聞いて…心配して見に来ただけだから…」
「離してっ…気安く触らないでっ…」
憐れんで欲しくなくて心にもない事を口走る。
私の言葉に、咲は私から離れて泣きそうな顔をしていた。
「ごめん…」
無理やり作った笑顔が私を追い込む。