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ずっと傍に……
第24章 正直になれなくて…
―――――…
次の日の朝、することもなくリビングでボーッとしているとチャイムがなった。
昨日の事もあり、誰とも会いたくない私は居留守を使うことにした。
だけど、チャイムが鳴りやむことはなかった。
しつこいぐらいに何回も何回も鳴る。
さすがにイライラが募り、インターホンの画面を覗くと、画面の中に咲がいた。
「何?」
不機嫌な私は、今日も冷たい言葉で対応する。
『…開けてくれる?』
画面の向こうで、寂しそうな表情をする咲に声すらかけなかった。
数分間の沈黙の後、咲がフッーと息を吐く姿が目に止まる。
嫌われちゃったなと、自業自得なのに泣きたくなった。
そのまま電源を切ろうとした時、咲が口を開いた。
『少しで良いの…1分でもいい、直接言いたいことあるの…だから開けて?直ぐに帰るから…玄関先でもいいから、お願い』
その必死さに、エントランスのドアを開けた。
咲が上がってくるまで何を言われるのかとドキドキする。
昨日の千佳の去り際の言葉が頭を過る。
さすがに面等向かって言われたらと思うと、エントランスを開けたことを後悔した。