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ずっと傍に……
第24章 正直になれなくて…
「ずっと友達だからね。何があっても友達…今は私たちの存在がうざくてもいい…顔を合わせるのも嫌でもいい…だけど友達だってことだけは忘れないでね。私たちはずっと陽葵の味方だから。それだけ伝えに来たの…」
私は咲の言葉を聞くことしかできなかった。
あんな酷いことを言ったのに、咲は友達だよと言いに来てくれた。
それは、とてもうれしかったし、ありがたかった。
「急に押しかけちゃってごめんね。今日の用事はこれだけ…落ち着いたら連絡ちょうだいね」
何も言わない私を離して、にっこり笑った咲は帰ろうとした。
何かを言わなくちゃと思っても言葉が出てこない。
出てこないと言うより、何を言って良いのか分からなかった。
「じゃあね。またね」
私が何かを言うの待っていた咲は、そう言って手を振ってドアノブを開けた。
その瞬間、頭より身体が動き、ドアノブを握った咲の手を握った。
「…ごめん…今……人と話すのが……苦痛で……人と話すと…イライラして…ママとさえもそんな感じで…咲や千佳が心配してくれてるのも分かってるし……」
嫌いじゃない事だけを伝えたくて言葉にした。
だけど上手く言葉にできなくてギュっと咲の手を握った。