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ずっと傍に……
第24章 正直になれなくて…
「私たちもね、あの結婚式に参加できてうれしかった…花火大会の時の約束覚えてる?ふたりの結婚式には駆けつけるって…だからね。あんな形だったとしても、ふたりを祝福できて、そして辛い闘病生活の中で友紀也の笑顔を見れてうれしかったの。」
直海さんは私の手を取り、そして抱きしめる。
「陽葵ちゃん…ありがとう…友紀也を幸せにしてくれて…そして最後まで寄り添ってくれて」
最後の方の言葉は嗚咽が混ざっていた。
それに引きずられるように私の頬にも涙が零れ落ちる。
「私は…友紀也を…幸せにできたでしょうか…」
「ああ…幸せにできたよ。だから友紀也は笑っていられた。俺でも直海でも誰にもできないことを陽葵ちゃんはやったんだ。陽葵ちゃんは辛かったかもしれないけど…友紀也は幸せだったよ。」
私の問いに竹吉さんは優し眼差しを向けながら告げる。
辛い闘病生活の中で、友紀也が幸せと感じることができたのなら…少しは報われる。