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ずっと傍に……
第25章 約束…
「母さんがうなされているの知ってるだろう…陽葵が桜木先生の後を追って死ぬ夢…あと少しで助けられるのに助けられないって…夜中に何度も同じ夢を見て目を覚ますらしい…そのたびに父さんが母さんを抱きしめて落ち着かせて眠りにつく…その繰り返しで母さんも父さんも参ってる…母さんは、少し前から学先生の勧めで病院に通って薬貰ってる…今は薬がないと寝れない状態が続いてるんだ…。…知らなかっただろう??これが現実だよ…陽葵の言葉によって引き起こされた現実…」
初めて聞く事に何も言えなかった。
まさか、私の言葉でママが精神的に参っているなんて知らなかった…考えもしなかった。
蒼の言うとおりだ…
私は自分のことばかりで何も知ろうとは思わなかった、考えなかった。
私の一言がみんなを苦しめ心を壊した…
これが現実…
これが私がもたらした最悪の現実だった。
「蒼…どうしよう…私っ…自分の事ばかりで…ママ…ママのこと…」
現実を直視すると、自分が犯した愚かな事がはっきりと見えてくる。