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ずっと傍に……
第25章 約束…
「箱詰めにして持って帰ったらいいよ。家から持ってきたのもあるし当分家事しなくてもいいだろう…手抜きできてよかったな」
箸が進まなくて半分以上残しても何も言わず、私を気遣っておちょくるように口にする。
その言葉に頷くと女将さんを呼んで箱詰めにしてくれるように頼んでくれた。
「あらっ…お口にあわなかったかしら??」
「いえ…美味しかったんですけど…」
「もちろん美味しかったですよ。ただ、調子悪いのに連れ出してきたから全部食べられなかったようです。美味しかったから残すのがもったいないって言うから箱詰めにして持って帰ろうってことになって、お願いできますか?」
「そういうことなら…今度は元気な時にいらしてくださいね」
女将さんは嫌な顔ひとつせずに残したランチを引いて箱詰めにしてくれた。
そして咄嗟にフォーローしてくれた蒼に感謝しかない。
会っていないうちに蒼は成長して大人になっていた。
私とは違って前に進んでいる蒼。
周りを見て、周りを居心地よくさせてくれる気遣いに蒼の成長を感じずにはいられなかった。