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ずっと傍に……
第25章 約束…
「悪い…俺…そこまで考えてなかった。…気分悪くさせたのは俺だよな…マジでごめん」
シュンと沈む蒼を見て、こっちがいたたまれなくなる。
嘘に嘘を重ねた結果を目の当たりにして、これからも色々と嘘を重ね人を傷つけていくのだと思うと怖くなった。
「蒼のせいじゃ…ないよ。それより…今日はありがとうね…蒼が来てくれて少し前に進めたよ」
「……そう言ってもらうと…来てよかったよ」
しょんぼりする蒼に何かを言いたいと思い言葉を探す。
だけど、良い言葉が浮かばない。
お互いに気まずいままマンションに戻ってきた。
買った物を冷蔵庫に入れて、蒼に冷たいお茶を出してソファーに座った。
「会わない間に…蒼、大人になったね」
「なんだよ…それっ」
不貞腐れた顔は昔と変わらない。
私の知っている可愛い弟。
「うん…今日一緒にいてそう思った。考えてる事、言ってる事…気遣ってくれるところ、私より大人だなって。蒼は前に進んで大人になっているのに、私は時間が止まったように留まってる。何も進歩もしなくて、ただ一日一日を過ごしてる。その違いを見せつけられた感じがした。」