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ずっと傍に……
第25章 約束…
「何寂しそうな顔してんだよ」
「だって…」
「だってもあるかよ…今まで自分から人を遠ざけてた奴の言葉か??寂しかったら咲さんや千佳さんにLINEすればいいだろう?それか家に帰ればいい。弟に寂しさ埋めてもらおうとするなよ」
そう悪態をつきながら、頭をクシャクシャと撫でまわしてポンと叩いた。
「痛~い!!」
「痛いわけないだろう!!陽葵は俺の姉ちゃんだろ?自慢の姉ちゃんなんだからしゃんとしろ」
自慢の姉ちゃんと言われて一瞬固まった。
そんなことを言ってくれたのは初めてでうれしくなる。
「蒼…それって…」
「うるさい!!俺…これからデートだし?忙しいんだよね」
「うそっ??マジ???誰よ誰よ」
「誰が陽葵に教えるかよ!!」
「え~!いいいじゃん、教えてよ」
「教えてやんないよ。…まぁ…もがき苦しんで浮上して来いよ!じゃあ、またな」
蒼にできた初彼女が気になって聞いても教えてもらえず、蒼はあっさりと帰っていった。
あれほどまでに人と関わることが苦痛で苦手だった私の心を簡単にこじ開けた蒼。
姉弟だから分かる、相手の扱い方。
ママでもパパでも、千佳でも咲でもなく蒼だったからできた事だった。