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ずっと傍に……
第25章 約束…
「うん…そうだね。初めは蒼の言葉にむかついたし腹もたった…姉弟の縁なんてきってやる!って思った。だけど…冷静になれば蒼も苦しんでるのが分かった。自分の事は何も言わなかったけど、蒼も苦しんでた。ママたちを見ながらどうにかしなきゃって…苦しんでたんだと思う…本当に蒼は大人になったよ…私と違って大人に…ただの小生意気な弟だったのに…いつの間にか私を追い越して前を進んでる…」
「大丈夫ですよ。陽葵もきっと前に進めます。同じご両親に育てられたんです。根本的なところは同じですから…きっかけがつかめれば陽葵もきっと前に進めますよ。今はその充電期間…ゆっくりと身体も心も休めて、その時ために休養しましょう」
その言葉に安心する。
この夢の様な時の中にいていいのだとユキに甘やかされる。
ユキの言うとおり、蒼の言うとおり、いつかは出なければいけない夢の様な世界。
だけど、今はここにとどまっていたい。
心が癒されるまで…
だけど、だからと言って人を傷つけて良いわけじゃない。
私が辛いからと言って何でも許されるわけじゃない。
それが、今日の蒼の言葉で身に染みて分かった。
だから、まずは千佳たちと、ママたちと距離を縮めたいと思う。
会うのはまだ怖いから、LINEから…自分の方から連絡を取ろうと思えるようになった。